地上182センチメートルを、キミと。








「…………………他に、好きな人が出来たの??」







やっぱり繭は、小春を『女』だと思っていない。







小春はオレの恋愛対象にはならないと決めつけている。







「昨日一緒に遊んでた小春だとは思わないんだ。 オレ、繭には小春をちゃんと『女の子』扱いするコでいて欲しかった。 そこだけ。 そこだけが繭の可愛くないところ。 あとは全部可愛い。 あとは全部好きだった」







そう、繭は本当に物凄く可愛い。






ただ、たった1つの可愛くない部分が、どうしても許せなかった。






「これからちゃんと気を付ける。 だから別れたくない!!」







繭が縋る様にオレの袖を掴んだ。







「こんなオレの彼女でいたいと思ってくれて、嬉しいよ。 ありがとね、繭。 でもオレ、もう前みたいに繭を好きになれない。 もう、付き合えない。 ゴメン」






オレの言葉に、繭が泣き崩れた。






でも、胸を貸しちゃいけない。






頭も撫でちゃいけない。






だって、繭はまだオレを好きでいてくれているから。
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