地上182センチメートルを、キミと。






布団の下で握りこぶしを作り、涙を堪える。






「・・・・・・・オレもねぇ、ちょっとでも身体大きく見せたくて、筋トレしまくってた時期があるの。 筋肉付けて、横にデカくなれば、全体的にちょっとは大きく見えるんじゃないかって思ってさ。 でも、ただ不恰好になっただけだった。 だから、それからは一切やってない」






今にも泣きそうなワタシの頭を、『よしよし』と大志くんが撫でた。





『程ほどにね』大志くんの言葉を思い出す。






ワタシと同じ様な道を、一足先に歩いていた大志くん。





やりすぎは良くないと、大志くんは身を持って知っていた。






ワタシは、そんな大志くんの言葉を聞き流してしまった。






ちゃんと聞いていたら、誰にも迷惑かからなかっただろうに。






無駄に努力して、傷付く事もなかっただろうに。

















・・・・・・・・・大志くんの前でなら、泣いてもいいだろうか。

























「・・・・・・・・・・ワタシ、小さくなれなかったよ、大志くん」













涙が、ボロボロと零れ落ちた。
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