地上182センチメートルを、キミと。
-----------「ハイ。 出来た♪」
背後でふざける香川くんを余所に、大志くんがメイクを終えた。
「どうかなぁ??」
大志くんに鏡を手渡され、ゆっくり覗き込む。
そこに映ったワタシは・・・・・・
「・・・・・・・・・可愛い」
髪を緩く巻かれ、アイラインとマスカラで目元のパッチリしたワタシがいた。
「自分で言っちゃうんだ。 でもヨカッタ。 気に入ってくれたみたいで」
鏡を握り締め、『カワイイって作れるんだ』と関心しているワタシに、大志くんが嬉しそうに笑いかけた。
「小春、なんか垢抜けたな。 オシャレな高校生になった。 うん。 大志は美容師で成功するわ、絶対」
まるでいつものワタシが『垢抜けない、ださい高校生』の様な言い方をする香川くん。
・・・・・・・・・まぁ、実際そうだけれども。
そして、香川くんの言うように、鏡の中のワタシは『オシャレを満喫してそうな女子高生』だった。