地上182センチメートルを、キミと。
「・・・・・・・・みんなに見せたいな。 オシャレ小春。 ・・・・・・・・ちょっと、今からどっか行こうぜ」
香川くんが、ワタシの腕を掴んで立ち上がった。
が、ワタシは腰を上げない。
「行かない」
今からどっかに、行きたいワケがない。
「なんで??」
『何だよ、ノリ悪いな』くらいのテンションで、香川くんが眉を中心に寄せた。
ワタシが、何で普段メイクをしなくなったか、理由をすっかり忘れている様だ。
「キレイにメイクしてもらったけど、どうせワタシは巨人なのです」
どうして言いたくもない事を何度も言わせるんだろう、ばか香川。
「どうせメイクした小春を『巨人に変わりない』ってバカにした女なんか、ただ小春より背が小さいだけで、たいして可愛くもなかっただろ」
思い出したのか、覚えていたのか。
それでも香川くんは引こうとしない。
でも
「・・・・・・・・イヤ、割と可愛かった」
残念ながら、ワタシを『巨人』とバカにしたコは、ワタシなんかより100倍可愛いコだった。