どんなことも二人で乗り越えて
そんなことを考えていることに気付いたのか尚人は申し訳なさそうな顔で
「悪い…」
と謝った

「お前が謝んな。悪いのは全部俺だから」

二人に訪れた少しの沈黙、それを破ったのはチャイムの音だった
尚人は自分の席に戻って、俺も力なく椅子に座った。

全部俺が悪い…確かにそうだよな。
俺は本当に女を愛することが出来なかった。無論今も…
言い寄って来る女の要望には適当に答えて遊んで…だんだん要望がエスカレートしていくようだったら迷わず捨てる、それが当たり前だった
頼まれれば彼氏がいる奴だろうが関係なかった。…っていっても一緒に遊びに行ったり手をつなぐ以上はしなかったが
高校に入り流石にこんなことをしていては駄目だと気付いた俺は女との絡みをやめて次第に女という生き物に興味がなくなっていった
だから多分今誰かに言い寄られたら…多分即答で断ると思う、それほど異性とそういう関係を持つことは面倒なことだと思っている
…そりゃ友達としては別に大歓迎だけど。
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