どんなことも二人で乗り越えて

屋上に着くと俺は遥香の腕を放した
『どうしたの?』
と、心から驚いている様子の遥香
「いや、ね。ちょっと相談事があって」

今までの自分が頭に過り、いきなり本心を伝えることは俺のプライドが許さなかった
「悪い…ちょっと相談が…」
『相談?珍しいじゃん、どんな?』

いくら思いを伝えることは出来なくとも、呼び出しといて誤摩化したくはないわけで…
「好きな人が出来たんだよ…」
俺は声のトーンを落としそう言った
『へー、晴昭が?』
なんて笑いながら尋ねる遥香に俺は真剣にこう答えた
「俺が…人好きになるなんて…そんな資格ないことなんて分かってるよ」
俺は空をあおぐ、すると遥香が舌打ちをした
「え…?」

『いや、なんでも。いいんじゃない?ちゃんと思い伝えたらいいんじゃないの?』
と、気怠そうに答えた
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