ヴァージン=ロード
「私のことはいいわ、すぐにほとぼりも冷める。でも、良は……もし今回のことで、結婚が駄目になったりしたらって思うだけで……」
「彼はなんて?」
「大丈夫だとは言っていた。それに、彼女も私と良が仲がいいことを知っているから、大丈夫だとは思うんだけど……でも、結婚よ? どんな些細なことが二人を引き裂くか……」
想像しただけで恐ろしい。
あの光景は、あの怒号は、私の両親のことであって――これから結婚する幸せな二人にはあってはならないものなのだ。
「私のせい、なんて……ほんと、良に顔向けできなくなる」
「伊咲さんは、良さんのことが好きなんだね」
宗広さんが突然そんなことを言い出すものだから、私は眉をひそめた。
「ええ、好きよ。ずっと一緒に戦ってきた仲間ですもの」
「仲間、か……」
腑に落ちない様子の宗広さんに、私の心の中の何かが音を立てる。
それを境に、いつも燻っている炎が勢いを増した。
仕事中じゃないときに、こんなに高ぶるのは――初めてだった。
「あの報道、信じていました? 私が良と熱愛中だって? 結婚間近だって?」