ヴァージン=ロード
思わずきつい口調になった私が訊ねると、宗広さんはそっと目をそらした。
その仕草だけで、彼が信じているとまでは言わなくても、疑っていたことは確かだと直感した。
「……良は、ずっと一緒に戦ってきた仲間よ。仲だっていい。お互いのことをちゃんと分かり合える、尊重し合える、そんな大事な仕事仲間なの。
宗広さんは私のことを理解してくれていると思っていたのに、そんなこともわかってくれていなかったの?」
抑えようとしても、どうしても畳み掛けるような言い方になってしまう。
私の大事なものが、大事にしているものが踏みにじられたような気がして許せなかった。
「君だってわかってない」
「何を」
宗広さんが私を真っ直ぐ見つめてくる。私もそれを見つめ返す。
そこには甘い空気なんてなかった。
お互いをけん制し合う、にらみ合いだった。
「隣に並んでいて見劣りしないどころか、どう見てもお似合いな二人の姿に、落ち込んでいる僕の気持ちなんか君にはわからないだろうね。君よりずっと年上の僕が、住む世界の違う君に恋い焦がれている気持ちなんて、わかってくれないだろうね」
その言葉に、私の心の中で燃えあがりかけていた炎が一気に凍りついた。