ヴァージン=ロード
「本日は、先日行われましたドリノンことDream‐nonのファッションショー、Dream Rainbowの打ち上げパーティに来ていただき、誠にありがとうございます! 長い挨拶は不要だと思っています。当日ショーを盛り上げてくださった関係者の皆様、どうか本日は楽しんでいってくださいね!」
夢乃がもう一度手を振ると、会場が拍手に包まれた。もちろん私と良も大きな拍手をする。実に夢乃らしい挨拶だった。
壇上から降りた夢乃が、私達の方へ駆けてきた。白い塊が私に体当たりをしてくる。ヒールを履いた足では支えきれず、良が私を支えてくれた。
私より頭一つは小柄なくせに、どんだけの力があるんだ、この女……。
「おっと……」
「いったい、なぁ、夢乃ー、なんなのよ」
「やだやだやだやだーっ、伊咲超可愛い! 似合ってる! さすが私のデザイン!」
異常にテンションの高い夢乃が、私の身体をぺたぺた触りまくる。私の背中を支えている良が、呆気にとられて私達を見ている。
「えっらい、テンション高いですね、前原さん」
良が呆然として呟くと、小柄な夢乃が思い切り顔を上げた。