ヴァージン=ロード

「え、でもさっき、凜さんって……」
「名前で呼ばないと、叔母さんて呼ぼうものなら殺されちゃいますよ。実はこの人こう見えて……」
「むー君」

 私の疑問に応える宗広さんの言葉を、神坂さんが笑顔で遮った。
 綺麗な笑顔で物騒な気配を漂わせる彼女だけど、宗広さんと同世代くらいにしか見えない。宗広さんのご両親のどちらかわからないけれど、年の離れた兄弟なのかもしれないと思い直した。

「女の人の年齢をほいほい言うもんじゃありません。そんなだから結婚できないのよ?」
「人のことはいいでしょう!」

 そんなやりとりをしている間に、子供達が飽きてきてしまったようだ。ののちゃんがつまらなそうに夢乃の服を引っ張っている。
 それに気づいたリキが、ののちゃんを手招きした。

「ののちゃん、おいで」

 突然、あまり知らない男の人に呼ばれたののちゃんは、不安そうに夢乃を見上げた。夢乃は笑って娘を送り出す。

「いいよ、行っておいで。おじさん、優しいから」
「おじさんはやめろよ、夢乃」

 リキが苦笑しながら、リノ君と反対の手でののちゃんと手を繋ぐ。見た目だけはいいリキだから、ののちゃんは恥ずかしそうだ。それに、同い年だというリノ君のことも気になっているようだ。
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