ヴァージン=ロード
「よし、いいよ」
ほかにもいろいろなパターンを撮り終えたあと、河島さんがOKを出した。私もほっと息をついて椅子に座りこんだ。衣装の下には汗をかいていて、少し気持ち悪い。
「お疲れ様ー」
すかさず、コータさんが近寄ってくる。花岡さんも一緒だ。コータさんが私の髪の毛を持ち上げる。
「それでは、失礼いたします」
「その子、綺麗に見えるように撮れていればいいんですけど」
花岡さんが私の首からジュエリーを回収する。首にかかっていた重みがなくなり、心も軽くなったような気がした。
「今回も素敵だったよ、ISAKI」
「河島さん、ありがとう。出来上がり、楽しみにしています」
「うん、それじゃあ、また」
私が軽く手を振ると、河島さんも笑顔でカメラを片付け始めた。
「じゃあ、ISAKIも着替えましょうか」
「はーい」
コータさんの手を借りて私は立ち上がった。
「そうだ、今度のパーティ、ISAKIも行くのよね?」
「今度のパーティ?」
どこかで聞いたことのあるフレーズだ。
「そう、ドリノンの」
「ああ、夢乃が言っていたやつね。ええ、夢乃に脅されたし、行くわよ。どうして?」
「いえ、ちょっと確認しただけよ」
うふふ、と含み笑いをするコータさんに、私は首をかしげた。何かあるみたいだ。