まだ知らない愛。
「ありがとうございました」
「どういたしまして、桜さんも頑張ってね」
そう言って駐車場から出ていった車を見つめながら首を傾げる。
頑張って?
何を頑張るの?
隣にいる瞬さんを見上げると…
「瞬さん、何怒ってるの…」
さっきよりも不機嫌そうな瞬さんがいた。
車の中であんなことしてきたくせに!
その本人がなんでそんなに不機嫌なの!
瞬さんは私の腕を掴むとさっさとマンションに入っていく。
下駄を履いているから歩きづらくて仕方ない。
エレベーターの中でも無言の瞬さん。
何となく私も喋れなくて私何悪いことしたっけ?と考える。
お祭りの時にちょっとお酒飲んだことかな?
未成年は飲んじゃダメだもんね…。
あれ?でも瞬さん達もすごい量飲んでたよね?

無言の空間に爽快な音と共に開いた扉。
私の腕を引いて歩く瞬さんの背中を見つめることしかできずに部屋にたどり着いた。
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