生涯の人… 〜Dearest〜
職員室前に張り出される紙を見た。

生徒が多過ぎて身長の低い詩衣には厳しい状況になってる。



「えー、あたし全然見えないんだけど。アン見える?」

「んー…、見えるけど文字が小さいからなぁ。ちょっ…ごめんね、ちょっとだけ見せて。」


詩衣の手を強引に引きながらクラス紙の前まで通してもらった。




1組…2組…3組……。



指で紙をなぞりながらまずは自分のクラスを確認した。


「あった、杏奈5組だ…。詩衣は?」

「あたしはー……あっ、あった!7組。…アハハ、遥も一緒だ。ごめんアン。」



5組に仲の良い友達がいなかっただけでもショックなのに…凪とも詩衣とも。

…それに遥とも一緒になれなかった。




一緒になれるなんて低い確率だけど、やっぱり一緒がよかったよ。





「ずるい!!変わってよ!!」

「無理だよぉー。でもいいじゃん、階は一緒だしさ。あたしに会いに来るって理由で来れるじゃん。」



はぁーって肩を落としてエレベーターが下りてくるのを待った。

でも本当…見事にバラバラになっちゃったなぁ。


諒士と琉晴が2組で、凪とタケが4組。

杏奈が5組で、あかりと南が6組。

そして…詩衣と遥が7組。




さっき詩衣に言われて知ったけど、4組から7組は階が一緒だから離れる事はなさそう…。




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