同居相手は黒猫くん
「せ、刹のこと」
私がそう言うと、刹は一瞬手の力を緩めた。
しかしずっと私のことを見つめる。
「…なんで」
なんで。
…なんで、だろ。
私はなんでこんなに刹のことでいっぱいなんだろ。
「…刹がキスできる?とか言うから…」
まあそれはあくまできっかけなんだけど。
すると刹は一瞬目を見開いて、フッと笑い出した。
……え!?
「なんだ。伝わってんじゃん」
そう笑った刹は、私の頬から手を離した。
え、伝わってるって…??
何がっ?
「よし。キスする」
そう不意に言った刹は、私の返事も待たずにキスをしてきた。
一瞬くっついた唇は、すぐに離される。
きょとん。
まさに、きょとんとして思考が一瞬停止する。
「…な、」
なんてこと!!!
信じられない…!