同居相手は黒猫くん






「せ、刹のこと」














私がそう言うと、刹は一瞬手の力を緩めた。





しかしずっと私のことを見つめる。












「…なんで」










なんで。





…なんで、だろ。



私はなんでこんなに刹のことでいっぱいなんだろ。











「…刹がキスできる?とか言うから…」













まあそれはあくまできっかけなんだけど。






すると刹は一瞬目を見開いて、フッと笑い出した。







……え!?













「なんだ。伝わってんじゃん」











そう笑った刹は、私の頬から手を離した。







え、伝わってるって…??


何がっ?










「よし。キスする」














そう不意に言った刹は、私の返事も待たずにキスをしてきた。





一瞬くっついた唇は、すぐに離される。












きょとん。


まさに、きょとんとして思考が一瞬停止する。













「…な、」








なんてこと!!!



信じられない…!








< 166 / 283 >

この作品をシェア

pagetop