鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)
篭城開始から一時間が経過。

尚もディアボ達の激しい攻撃は続いている。

時折業を煮やしたディアボが突撃を敢行してくるが、それらは小川達が集中砲火で仕留める。

今の所怖いのは、一気に建物内に踏み込まれる事だけだ。

それだけは何とか阻止できている。

各窓と入り口に谷口、三浦、マット、小暮が配置され、警戒を怠らない。

ただ…。

「暗くなってきたらマズイな…」

小川が外の様子を見ながら呟く。

夜間の視界不良の中、暗闇に乗じて接近される事が目下の所の懸念材料。

暗視装置を誰も持ってきていない。

93年のモガディシュの戦闘でも、30分程度で終わる作戦だとタカを括っていたレンジャーは暗視装置を持たずに出撃し、作戦の遅延によって夜間の民兵の攻撃に苦戦したという。

正に当時の戦闘の焼き直しになりつつあった。

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