鉄の救世主Ⅲ(くろがねのメシアⅢ)
建物の壁を叩く銃撃、爆風によって飛び散る破片や埃。

それらを一切無視するように努め、小川分隊は篭城を続ける。

とはいえ、精神的に追い詰められる事には変わりない。

次第に無口になり、銃声と爆発音以外は静寂が包む。

明らかな劣勢は隊員達のストレスとなり、やがてそれは肉体的にも負担をかける。

よくない兆候だ。

せめて無線が使えれば、本隊の到着時刻だけでも確認できれば。

幾らかは隊員達の望みにも繋がるだろうに。

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