シェリー ~イケない恋だと、わかっていても~
7時45分頃、ともさんの運転で羽田空港へとやってきた。目指すは北海道。


「ねぇ、彩月。なにかあった?」
「梨江子……。ううん、けいちゃんとはなにもないよ。たださ、わたし今日いないでしょ?だから、有美子って人と会うのかなって朝から考えてたら気持ちがブルーになっちゃって……」
「そういうこと……」
「うん……。でも、みんなと話してたら元気出てきたし!大丈夫っぽい!ありがとね、梨江子。スキーに連れ出してくれて」
「なに言ってんの、親友でしょ?当然だから!」


駐車場から空港内に入るまでの間、梨江子が小声で話しかけてきて、なぜかわたしも小声で返し、二人で笑い合った。


匠哉さんと、ともさんは荷物持ち係りになっていて。わたしも持つと言ったんだけど〝これは、俺らの仕事!〟と言われ、なんだか申し訳ないと思いながらも梨江子と二人、手ぶらで空港内へと入った。


飛行機の時間がわりとギリギリで、着いて早々荷物チェックやらなにやらをして、あっという間に離陸してしまい、これまたあっという間に、北海道へと着いてしまった。


「着いたー!!って、さむっ!」
「本当だ、すごいね。この寒さ……」
「何度くらいなんだろう?」
「彩月ちゃん、見て。マイナス18度になってるよ」
「え!」


ビックリだ……。北海道は寒いって聞いてたけど、そこまで下がるなんて……。あとから調べてみれば、わたしたちが降り立った新千歳空港がある地域は、マイナス20度は普通にあるらしく、わたしたちが行く札幌市よりも寒い地域らしい。


そんな札幌のスキー場までは、バスで行ける。バスに揺られること、約1時間半。目的のスキー場へと着いた。


「じゃあ、まず部屋なんだけど。どうする?」
「どうする?って、節約のために二部屋しか取ってないんだから、わたしと彩月に決まってるでしょ?」
「いや、まあ、そうなんだけどさ……。仕方ない、ともで我慢するか」
「お前なぁ……。なんだよ、我慢って!俺だって匠哉なんかより、彩月ちゃんがいいに決まってるし!」
「じゃあ、わたしと同室にしますか……?」
『え?』


あれ。なんでわたしこんなこと言っちゃったんだろ……。ほら、みんなが驚いちゃってるし……。


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