【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる






「俺も好きなものとか、好きな人……とか見てると幸せになる」



「え……!?」



速川くんって好きな人、いるの……?




「どうかした?」



「いや、速川くんって好きな人いるんだなぁ……って」



「……いるよ」



その言葉を聞いた瞬間、私の胸にトゲが刺さったような感覚が走った。




「そう、なんだ」



そりゃ速川くんだって恋して当然だよね。
当然、だけど……やっぱり好きな人に好きな人がいるって悲しい。
速川くんの好きな人ってきっと私みたいな地味な女の子じゃなくて、きっとすごく可愛い子なんだろうな……。



「うん、すごく笑顔が可愛くて……ちょっと天然なとこを見てたら守りたくなるような子なんだ」



「へぇ……」



私とは真逆だなぁ……。
私、その子になりたい……。



「その子はきっと俺のこと好きじゃないけど、ね」



「え……?」



「その子は恋愛よりも興味あることがあって……俺が気持ちを伝えても迷惑なだけだと思う」



悲しそうな速川くんの表情に胸が痛くなった。
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