【企画】恋のスケッチブックは君色に染まる
「……切ないよな、叶わない恋って」
速川くんも叶わない恋をしてるんだ……。
「うん……そうだよね」
片想いって切ないなぁ……。
「でも、きっと速川くんの気持ち、その子に届くよ!」
根拠なんてない、叶ってほしくないけど……応援しなきゃ。
「そう、かな」
「うん!だって速川くんって優しいし、王子様みたいにかっこいいし、一緒にいるだけで安心出来ちゃうもん……っ」
「……さんきゅ」
速川くんは少し嬉しそうに笑った。
でも、私の胸は少し苦しい。
……それでも、友菜と約束したから……ちゃんと気持ちを伝えよう。
そうやって話しているうちに絵は完成した。
「うぅ~~っ、やっと完成!」
色鉛筆を机に置いて、背筋を伸ばした。
「お、マジか!」
「下手くそだけど……私なりに速川くんを描いたよ」
スケッチブックを速川くんの方へ見せた。