Polaris
「お前が女にのめり込む日が来るなんて、俺は嬉しいぞ」


俺の方を叩く、リュウ。


「人のことは良いから、お前はハナのこと頼んだぞ」

「はいはい。お前もミライさんに逃げられるなよ」


逃げられる、、か。


「逃がさねぇよ」

「もし他の店に持っていかれたりしたら、それこそうちにとって大損害だ」


未来の売り上げは店の半分近く占めている。


未来より売り上げがある奴が居れば、簡単に辞めさせられるのにな。


「とりあえず、店のことは頼むぞ。俺は帰る」





この世界に入ってから、女は金や地位が好きな生き物なんだって、嫌なほど実感した。


旦那の金で遊びまくる女。


愛なんてないのに、旦那の肩書きにしがみ付く女。


けど、そんな世界に生きていた俺にとって、未来、、、。


お前だけは違う女だって思ったんだ。


もしかしたら、俺がそう思いたかったのかもしれない。


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