ウソつきより愛をこめて
…悔しいけど言い返せない。
浮気をしていた上に、他の男の子供を産んだ私のことを受け入れようとするなんて、一体翔太はどれだけ器が大きい男なんだろう。
それに比べて、私は元カノ程度に嫉妬して…。
バツが悪くて唇を結んだまま翔太を見つめていると、逆に怖いくらいの笑みを返されてしまった。
「クリスマスの夜、俺がどんな気持ちで過ごしたと思うか想像してみろ」
「……ご、ごめん」
「まさかとは思うけど、あの日泊めたりしてないよな?」
「もちろん。寧々が寝たあとお帰りいただきました。…っていうか妹の旦那さんとどうにかなったりしないから!」
「わかんねぇだろ。お前流されやすいし。…だから俺のことも、その場の流れで仕方なく受け入れたんだろうなってとずっと思ってた」
「…え…?」
「所詮俺はあいつの代わりなのかって思ったら、優しくなんか出来なかった。唯一抱いてる時だけ、お前は素直だったから。抱き潰すみたいな酷いやり方しか出来なくて。…昔のことは、悪かったと思ってる」
初めて知った翔太の本音に、胸が熱くなる。
そんなに不安だったの?
…だから、いつも夢中で私を抱いてたの?
「私、…最初から、翔太に惹かれてたよ。初めてキスした時から…頭の中は翔太のことでいっぱいだった」
「…我慢した甲斐があったな」
「我慢?」
「お前が俺に気持ちを見せるまで、絶対最後まではしないって決めてた。…俺だって同じ過ちは繰り返したくないから」