ウソつきより愛をこめて
「なにそれ。聞いてるこっちが恥ずかしいんだけど。どこのラブラブカップルの話かな」
「…喧嘩売ってるよね?」
こんなことになってしまった全ての原因は、あの時橘マネージャーに私の看病を託してしまった美月にある。
「しかも毎日車で送り迎えしてくれるんでしょ?いいねぇ愛されてるねー」
「間違えないで。愛されてるのは寧々だから」
「もう、エリカは本当に強情なんだから」
そんなこと言われても、これは事実だ。
橘マネージャーの寧々に対する猫可愛がりぶりは、完全に身内の私を凌駕している。
「ねぇ美月。いつから知ってたわけ」
「へ、なにが?」
「うちの隣に、橘マネージャーが住んでたこと」
「ああ…。まぁ、最初から?」
「はぁ!?」
「うん。最初は変質者かと思ったんだけどね。話したでしょ?この部屋の周りうろついてる変な男がいたって」
そういえば以前、美月にそんな話をされた記憶がある。
「驚いたよ。あの人がエリカの元彼だって知った時は。なんか必死だねぇ、保育園の先生まで味方につけて。完全に外堀から埋めにかかってるね」