ウソつきより愛をこめて

「なにそれ。聞いてるこっちが恥ずかしいんだけど。どこのラブラブカップルの話かな」

「…喧嘩売ってるよね?」

こんなことになってしまった全ての原因は、あの時橘マネージャーに私の看病を託してしまった美月にある。

「しかも毎日車で送り迎えしてくれるんでしょ?いいねぇ愛されてるねー」

「間違えないで。愛されてるのは寧々だから」

「もう、エリカは本当に強情なんだから」

そんなこと言われても、これは事実だ。

橘マネージャーの寧々に対する猫可愛がりぶりは、完全に身内の私を凌駕している。

「ねぇ美月。いつから知ってたわけ」

「へ、なにが?」

「うちの隣に、橘マネージャーが住んでたこと」

「ああ…。まぁ、最初から?」

「はぁ!?」

「うん。最初は変質者かと思ったんだけどね。話したでしょ?この部屋の周りうろついてる変な男がいたって」

そういえば以前、美月にそんな話をされた記憶がある。

「驚いたよ。あの人がエリカの元彼だって知った時は。なんか必死だねぇ、保育園の先生まで味方につけて。完全に外堀から埋めにかかってるね」

< 66 / 192 >

この作品をシェア

pagetop