ウソつきより愛をこめて
どこまで私に干渉してくるつもりなんだ。
まぁ私が倒れたら困るのは寧々だから、橘マネージャーもこんなに必死になってるんだろうけど。
「あのですね。今ダンボールに入ってるコート、この冬一番の人気商品なんですよ。ずっと発注かけてて、今日ようやく補充分が上がってきたんです。だから1秒でも早く売り場に出したいんですけど」
マネージャーのくせに、ここまで言わないとわからないのだろうか。
黙ったまま無言の圧力をかけてくる橘マネージャーは、それでも握り締めた手の力を緩めようとはしなかった。
「俺が出す」
「…は?」
「それは俺が出すから。頼む。少しだけでもいいから、休んでくれ」
「……」
「お前は一時間あるはずの一番ですらろくに休んでない。十分で飯食ってその後ずっと裏で仕事してんだろ」
今までゆっくり椅子に座って休憩室で休んだことなんてない。
売り場で出来ない細々とした雑務は、ほとんど事務所かバックヤードにこもって一人でやっていた。
「別に…休憩時間に何しようが、私の自由でしょ」
「休憩時間に仕事をするのは、立派な就業規則違反だ。俺が、何のためにここに来たと思ってる?」