ウソつきより愛をこめて

***

「橘マネージャー、おはようございますぅ」

「おはよう。えっと…バイトの白鷺(しらさぎ)さんだっけ?」

「うわぁ!まだ数回しか会ってないのに、名前覚えてもらえたんですねぇ。ゆりちゃんって呼んでくれたら、もっと嬉しいですぅ」

あれ、こんな高い声出せたんだって思って聞いていたら、隣で売価変更のシールを作っていた美月から小さく舌打ちが聞こえてきた気がした。

「ありがとうございました。またお越しくださいませ」

カウンターから出て直接お客様の前に立ち、ショッパーに入った商品を渡す。

振り返ると美月の目は般若みたいにつり上がっていた。

「ちょっとエリカ」

「えっ、な、なに?」

「あんたがあんなにゆりちゃんシフトに入れまくったから、毎日不快指数が上がってしょうがないんですけど」

ゆりちゃんの気合の入れ様と橘マネージャーに対するアピールぶりには、私も結構驚かされる。

つけまつげ、いったい何個ぐらい重ねづけしてるんだろう。

もともと大きかった彼女の目は、更に一・五倍くらいの大きさに盛られていた。

「すごいよね…。まぶた筋肉痛になりそう。私だったら瞬きするのも精一杯だよ、きっと」

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