彼が主で私が執事!?




「ありがとう、お父様。」




ニコリと笑ってお父様に言う。


その私の笑顔に安心したのかいきなり謝罪してきた。




「すまなかったな。
いきなり婚約を決めてしまって・・・。」

「いいえ、最初は不本意でしたけど・・・今はお父様に感謝しています。
お父様がいなかったら私はこの世に生まれてくることもできませんでしたし、あの方と会うこともありませんでした。
ありがとうございます。」




そういうとお父様は顔を赤くして逃げるように部屋から出て行った。


そして最後に扉の前で・・・。




「幸せになりなさい。」




そう静かに言って出て行った。


温かな言葉が胸の中に響いている。



そして残されたカイルは私に話しかけてきた。




「似合っていますよ、姫様。
馬子にも衣装とはその通りですね。」




相変わらず笑顔で言ってくる。


でも、とても温かく聞こえる。





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