可愛い彼にはご注意を!
「さぁ?でも、その人に言われたのが柴崎さんは酷く酔っていたからタクシーに乗せて帰しましたって・・・。
だから、柚亜は無事に帰ったんだと思ったんだけど・・・・・・まさかこんなことになっているとはねぇ~。」
「笑い事じゃないよ!」
「って言われても、私はその時あまりにも秘書の男がカッコいいなぁ~ってハートがメロメロだったのよ♪」
「うぅ、沙希の馬鹿・・・。」
相変わらずの沙希の行動に私は涙目になる。
沙希は友情よりも恋を取る典型的なパターンの人間だから仕方ないけど・・・。
「秘書もカッコいいけどうちの社長もカッコいいのよね~。」
「社長?」
「そうそう。柚亜も一度は拝んだことがあるでしょ?」
「拝むって・・・。」
そんなことは一度も無い。
そもそも自分の会社の社長がどんな人なのかもいまいちよく分かっていない。
顔も分からないし・・・。
分かっているのはこの会社の名前と一緒の名字。
うちの会社は一応大手企業に入る会社で『緒方コーポレーション』と言う大きな名前も持っている。