可愛い彼にはご注意を!




「蓮、楽しくないですか?」

「別に、ただ気に入らないだけだよ・・・。」

「私がご両親を取ってしまったからですか?」

「違うよ。柚亜は俺だけのものなのに、他に取られることが気に入らない。」

「え・・・。」

「だから、覚悟しててね。
この後、たっくさん愛してあげるから・・・。」




可愛い笑顔だけど、どこか獲物を捕らえた野獣のような目をしている蓮に私はこの先の不安を感じた。


誰か、助けてください!







-少しして-


何とか、お茶を飲んで落ちついてきた私達は話をしていた。




「柚亜ちゃんはどうして、うちの会社に入ったのかしら?」

「そういえば、どうして入ったの?」




聞いていなかったねと蓮が言うから私は昔のことを思い出して話した。





「高校生の頃、近所のお姉さんが結婚式に呼ばれたんです。
その時にプランを立ててくれたのが緒方コーポレーションのブライダル企画部でした。
私はそのお姉さんから花嫁さんは皆の憧れの存在だと教えられてきて最初はその意味が分からなかったんですけど・・・お姉さんのドレス姿を見て分かったんです。
確かに誰もが憧れるなって・・・。」




ドレスを着たお姉さんの顔はとても幸せそうだった。


私もいつか真っ白のドレスに身を包んでみたいと純粋にそう思った。





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