可愛い彼にはご注意を!
「私もウエディングドレスがもう一回、着たくなっちゃったわ~。」
「他の誰かとは許さないからな。」
「まさか、私のパートナーは政明だけよ♪」
そんな俺をよそに母さんと父さんはラブラブっぷりを俺らに見せ付けるかのようにイチャイチャしている。
はぁ・・・また、始まったね。
こういうことは小さい頃から慣れっこだから俺は見て見ぬフリをする。
でも、柚亜は慣れていないのか俺の後ろに隠れてなるべく見ないようにしている。
その姿はまるで、親に懐く小動物の様だった。
何、この可愛い生き物・・・!
もう一回ギュッと抱きしめたくなったけど、とにかく今は目の前の馬鹿な夫婦の会話を止めなくちゃいけない。
「いい加減にしようか・・・二人とも。」
ニコッと笑って会話の中に入ると二人はこっちを向いた。
「何よ~、良いところだったのに!」
「そうだぞ、蓮。せっかくの所を邪魔するなんて野暮なことをするな。」
「いや、少しは周り見ようね。俺だけじゃなくて柚亜もいるんだから・・・。」
未だに後ろでプルプルと震えている柚亜。
安心させるように頭を撫でてあげると、小さな声でありがとうございますと言って来た。
あぁ、この小動物を食べたいな・・・。
そんな邪なことを思いながら撫でていると、母さんが俺にカードを渡した。