Photograph
「会長は・・・・・・酷いです。」
私が静かに言うと会長の息を飲む音が聞こえた。
「先に逃げたのは・・・会長なのに、私には逃げるなってそんなの酷いです。」
遂に耐え切れなくなって涙がポロポロとこぼれてくる。
「そんなこと、言われたら・・・・私は期待しちゃうじゃないでs―――っ!?」
きちんと言い終わらないうちに私の目の前は真っ暗になった。
ギュウッと抱きしめられる感覚を感じた時、私は初めて会長に抱きしめられていることを理解した。
「君が・・・・・・好きだ。」
耳元で言われて体中が熱くなる。
「写真なんてただ哀れなものだと言った。
でも、君の写真を見て初めて本当の価値が分かった気がした。
真実を写すことが出来る君が好きだ。」
私の目を見て言われて・・・私はただ、会長を抱きしめた。
「私も・・・・・・好きです。」
やっと言えた言葉は本当に小さな声だった。