[短]翼を、ください。ー切なく甘いイブの夜を君とー
***


「私、こんな夜遅くまでおきてたの、初めて。」



「けどちゃんとお父さんとお母さんの枕元にプレゼント置けたんでしょ?」



「うん!」



「なら、良かったじゃん。」



そう言って彼はニコリとまた子犬みたいな笑顔で微笑んだ。




その時に後ろの翼がふわりと揺れる。



左の翼は、もう、ほとんど治っていた。



でもきっとまだ行かないってことは治って無いってことだよね…?



私はまた汚い気持ちで、胸を撫で下ろした。




だって私はまだ肝心のジュンにプレゼントを渡せていないから。



街ではジュンの好きなものがいっぱいあった。



チョコレート、ジンジャーマンクッキー、グミ、オレンジキャンディ、マシュマロ。



だけど私は全部何か違うような気がして買えなくて、



今日お父さんとお母さんと晩御飯を食べながら何にしようかずっと考えていた。






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