ボーイズ・ビー・アンビシャス
そうだ。
俺は、ケイン。
俺の、神様………。
心配そうな二戸を見て、にやりと笑ってやる。
神様はいつだってクールだ。
スポットライトが照らされる。
肌がひりひりと焼ける気がした。
マイクをぐい、と近づける。
それを合図に、ドラムがリズムを刻む。
「I am always a classroom and one person…」
蒸れた体育館に、俺の声がとおる。
「When there were not a pen and a notebook, 」
5小節目でドラムが入る。
「what had happened to oneselves? 」
ギター、ベースが加わる。
観客も体を揺らしている。
徐々に盛り上がり、サビへ。
幾多の拳がつき上がる。
「It was good if such a thought was carried out,and love etc.were not carried out. 」
恋の歌だ。
アップテンポで盛り上がる曲だけど、意味はまるで違う。
その意味を、投げかけるように声を張り上げる。
”こんな想いをするならば、恋などしなければよかった”
畜生。
なんで、こんな歌。
「The sun suits your smiling face well. 」
観客を見回して二戸を探す。
人でぎゅうぎゅうだが、背が高い奴の姿はすぐに見つかった。