その結婚、取扱い注意!
「美海はいいわー 相手が初婚だし。壁はなーんにもないし」

隣に座る菊池さんの背中をバシバシ叩いている。

今度は絡み酒ですか?

「久我さん、食べた方がいいよ。さっきから飲んでばかりで食べていないでしょ」

私は飲むより食べる方だから、居酒屋の料理を美味しくいただいている。

「美海、結婚式まで1ヶ月きったね。イケメンの旦那様を見るのが楽しみなんだけど」

菊池さんはにっこり笑ってそう言ってくれる。

「披露宴、ちょっと騒がしいかもしれないけど楽しんでもらえると嬉しいな」
「披露宴が騒がしい?」

菊池さんはキョトンとなる。

「美人堂のオネエさま方も数人出席してくれるから」

美里ママに出席してもらうのはもちろんだったんだけど、情報がばれて芋づる式に明菜さんときららさんが出席することになった。

きららさんは静かだと思うけれど、美里ママと明菜さんがくっつくとお笑いのようになるのは目に見えている。

でも、3人にお祝いしてもらえたら嬉しい。

招待状を美里ママに渡したときは、「自分なんかが行って結婚式の雰囲気が壊れるのでは」と遠慮した経緯もある。湊の「友人なんだ。出席して当然だろ」の一言で、出席してくれることになったのだ。

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