その結婚、取扱い注意!
「湊、いろいろとありがとう。湊のおかげで飛行機に乗れたし。あ! ジェイソンが見送りに来てくれたの。よろしくって」
「知ってる。出国ゲートに入るまでちゃんと見届けたってメールが来たよ」
「そうだったんだ」

隣に座る湊は私の頭を自分の肩に引き寄せる。

「ドタバタの最後が嬉しい知らせで、今何とも言えない気分なんだ」

そっと私の髪を撫でながら湊は口を開いた。

「うん……私も……お正月はぬか喜びでがっかりだったけれど、ここに……赤ちゃんがいるんだね」
「ああ。もっと幸せになろうな」

私の髪を撫でてくれていた手は腹部に優しくあてられる。
私も湊の手に手を重ね、これ以上ないくらいの笑顔を向ける。

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