その結婚、取扱い注意!
じわりじわりと参拝の列が進んでいる。
参拝を待つ列の両側には屋台。
ここへ来るまではいろいろ食べたいと思っていたのに、色々な匂いが混じりかすかに胃が暴れはじめる。
あれ? どうしたんだろう……。
私は空いている左手で黄色い帯の上から擦る。
何度か擦っていると、湊が聞いてくる。
「帯が苦しいのか? さっきから擦ってどうかした?」
「ちょっと胃がむかむかして……」
羽織の下だからわからないと思っていたけれど、手を繋いでいたから微かな揺れを感じたみたい。
「食べすぎ?」
「うん、そうだと思う。酢れんこん、消化できていないのかも」
「大丈夫か? とりあえず家に戻って、夜にでも来る?」
「ううん。吐きそうなほどじゃないから大丈夫だよ」
「そうか?」
「うん。あー、屋台のお好み焼き、食べたかったのに」
「気持ち悪いくせに、食べ物のことかよ。ほんと、ミミは色気より食い気だな」
湊はそう言ってからかう。
もしかして、からかうモードにスイッチオン?
さらに
「夕食はなんだろうな。おそらくカニとすき焼きと……ミミ、治らなかったら残念だな」
本当は心配しているのだろうけれど、からかってくる。
参拝を待つ列の両側には屋台。
ここへ来るまではいろいろ食べたいと思っていたのに、色々な匂いが混じりかすかに胃が暴れはじめる。
あれ? どうしたんだろう……。
私は空いている左手で黄色い帯の上から擦る。
何度か擦っていると、湊が聞いてくる。
「帯が苦しいのか? さっきから擦ってどうかした?」
「ちょっと胃がむかむかして……」
羽織の下だからわからないと思っていたけれど、手を繋いでいたから微かな揺れを感じたみたい。
「食べすぎ?」
「うん、そうだと思う。酢れんこん、消化できていないのかも」
「大丈夫か? とりあえず家に戻って、夜にでも来る?」
「ううん。吐きそうなほどじゃないから大丈夫だよ」
「そうか?」
「うん。あー、屋台のお好み焼き、食べたかったのに」
「気持ち悪いくせに、食べ物のことかよ。ほんと、ミミは色気より食い気だな」
湊はそう言ってからかう。
もしかして、からかうモードにスイッチオン?
さらに
「夕食はなんだろうな。おそらくカニとすき焼きと……ミミ、治らなかったら残念だな」
本当は心配しているのだろうけれど、からかってくる。