その結婚、取扱い注意!
「お風呂入れてくるね」

バッグを置いて、キッチンにある湯はりのモニタースイッチを押してリビングに戻ると、湊はスーツの上着を脱いで無造作にソファに置いている。

「ちゃんとメシ食べたのか?」

そう聞きながら、ワイシャツの袖のボタンを外している湊に胸がトクッと鳴った。
結婚して2年以上たっているのに、いつまでも私の胸を高鳴らせてくれる人。

「ん、たい焼きとお酒……」
「は? お前、ちゃんと食べなきゃダメだろ」

湊はワイシャツを脱いでいた手と止めて、キッチンへ入って行く。

「自分で作るからいいよ。湊は食べた?」

キッチンへ入った湊を追いかけると、冷蔵庫を覗き込んでいる。

「しっかり食べたよ。昨日のカレーしかないか」
「カレーでいいよ」

冷蔵庫からカレールーを取り出して電子レンジで温めて、炊飯器のご飯をお皿によそってカレールーをかける。

湊はまだ飲み足りないらしく、冷蔵庫からビールとチーズを出して先に飲み始めている。
カレーの入ったお皿をテーブルに持って来て、湊の対面に座った私は食べ始めた。


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