その結婚、取扱い注意!
湊に話したことで、少し気持ちが軽くなった気がする。
私はクリスマスパーティーで会ったときからアイツは嫌な奴だと思っていた。
本当にきららさんを愛していれば、なんとかバレないように付き合うことだって出来たはず。それが出来ないのは愛がもうないんだ。
だから、きららさんは自分に自信を持って吹っ切ってほしい。

「美里、元気だったか?」
「あ、うん。元気そうに見えたよ」
「美里はあまりくよくよ考えないヤツだから、もう大丈夫だろ」
「美里ママは愛してくれる彼もいるしね」

私は仲の良い美里ママたちの姿を思い出してにっこり笑った。

「ミミ、食べ終わったら一緒に風呂入るぞ」
「えっ? 湊が先に入ってきて」

いきなり話が変わって、カレーが喉に詰まりそうになる。

「却下。俺、欲求不満だから」

テーブルに肩肘をついて、あごを乗せた湊は私に有無を言わせない笑みを浮かべている。

「な?」

そんな笑みを見せつけられたら、嫌だとは言えなくなる。
もちろん、嫌だなんて思っていないけれど。

私はこくっと頷いた。

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