その結婚、取扱い注意!
「大丈夫だよ。湊、今日も遅くなるって言ってたし」
「じゃあ、菊池さんと3人で近くの居酒屋でいい?」
「オッケー」

久我さんはにっこり笑みを浮かべると出て行った。

その夜、私たちは居酒屋で久しぶりに楽しんでいた。久我さんと私は退社時間を合わせて先に来ている。

30分後、菊池さんがスポーツ新聞を抱えてやって来た。

「菊池さん、なんか親父くさいけど?」

すかさず久我さんが突っ込みを入れる。

「だってーあんたたちと違って、楽しいことがないしねー」

投げやりに言ってからイスに座る。テーブルの端に置いたスポーツ新聞に知っている名前が大きく見えてあって驚く。きららさんの元カレ、タカだった。

「ちょっと見せてっ!」

スポーツ新聞を自分の方に引き寄せようとすると、「楽しい記事でもあった?」と、久我さんが菊池さんに聞いている。

「あった! あったわよ! あのアイドルグループのタカって子、熱愛発覚だって」
「タカ? 知らないなぁ」

アイドルグループより渋いおじ様が好きな久我さんには興味のない話だったけれど、私はアイツを知っているから熱愛発覚と聞いて驚いた。

熱愛発覚? まさか、きららさんのことじゃないよね?

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