冷たい上司の秘密の誘惑
「美穂!・・・?!」

…飛び込んだリビングには、

美穂の上に馬乗りになった三浦の姿。

美穂の顔は、涙でぐちゃぐちゃで、・・・ブラウスのボタンは

ひきちぎられていた。…しかも、首には、無数のキスマーク。


オレの拳は震え、理性などと言う言葉は、どこかに消えていた。

・・・その次の瞬間、三浦は殴り飛ばされ、床に倒れこんだ。


そんな三浦を、オレは何度も何度も、殴っていた。

「止めて…止めて、篠田部長」

「…美穂」

泣きながら、オレを必死に止めに入った美穂により、

理性が戻ってきて、その手は止められた。


オレは、泣いてる美穂をそっと、いたわるように抱きしめた。


「・・・三浦、お前だけは許さない」

そう言って三浦を睨む。


…何とか起き上がった三浦は、…顔中、血と、あざだらけになっていた。

「勝手に言ってろ」

三浦は捨て台詞を吐いて、リビングを出ていった。


「すまない・・・一人にして…すまない、助けてやれなくて」

オレは、抱きしめたまま、何度も謝っていた。

その度に、美穂は、首を振っていた。


…大事な女一人、守ってやれないなんて、

男失格だ。そう思った・・・
< 135 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop