冷たい上司の秘密の誘惑
「イヤ…ヤダ!!」

…泣き叫ぶ、美穂。オレはどうしようもなく

腹が立っていた。


「美穂ちゃんの家だよ?…誰も来やしないさ。

両隣は、誰も入ってないし・・・ここは運よく、防音設備も、

しっかりしてるみたいだし?」

・・・その声を聞いて、すぐに誰だかわかってしまった。

・・・コイツは三浦。

オレに、何度も美穂に近づくなと警告していた男だった。


…オレは、パソコンの事なんかほったらかしで、

オフィスを飛び出した。


…泣き叫んでいる美穂を、とにかく助けてやりたかった。


…美穂を守ると誓ったのに、

何でこんな事に・・・

こんな事になるなら、美穂を行かせるんじゃなかった。

向かう道中、そんな事ばかり考えていた。



タクシーが、目的地に到着した。

オレは、お金を渡し、タクシーを飛び下りた。

美穂の部屋までとにかく走った。


・・・ドアが開くか、開かないか。

オレは『開け!』と、心の中で叫んだ。


…ガチャ。…開いた。
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