冷たい上司の秘密の誘惑
篠田部長は、私を後ろから抱きしめる状態で立っていた。

でも顔は全然笑ってなくて・・・

三浦さんをギロッと睨んでいた。


「部下を守るのは、上司の役目なんでね」

そう言って私を見下ろした篠田部長は、

フッと笑った。

・・・その笑顔を見ただけで、スッと、

怖さが消えて行く。震えが止まっていく。

…篠田部長は、私の安定剤のような物だ。


「…休んでたんじゃなかったのか?」

少し怯えた顔で、篠田部長を見る三浦さん。


「そうそう、仕事を休むわけにもいかないだろ?

今が一番大事な時だからな?

・・・三浦も、こんな所で油を売っててもいいのか?

えらく、仕事を抱えて、このままじゃ、切り捨てられるぞ?」


「ッ!」


「…これ以上、美穂に付きまとうな。

お前をクビにするくらい、簡単な事なんだよ」

篠田部長の言葉に、三浦さんは逃げるようにその場を去った。

…途中、デスクにぶつかり、こけていたが・・・


「…篠田部長」

そっと振り返った私は、

篠田部長に、きつく抱きしめられた。
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