冷たい上司の秘密の誘惑
「痛い、痛い、わかったから、その顔、どうにかして来いよ」

「・・・へ?」


「目が、パンダみたいになってるぞ」

「・・・き、キャ~!早く言ってください」

「ハハハ」


私は誰にも見られないように、化粧ポーチを持って、

トイレに駆け込む羽目になってしまった。

…それから約10分後。

化粧を直した私は、自分のデスクに戻った。


「お、可愛い顔に戻ったな」

「もぅ・・・止めてくださいよ」

ニコニコの三谷先輩に対し、困惑の表情を浮かべる私。

・・・オフィスの中には、一人、また一人と、

社員達が続々とやってきていた。


仕事開始から、1時間。

私はずっと、篠田部長を見る事すらできなかった。

「肩の力を抜け、久保」

「…エ?」


「篠田は、お前に悪いと思ってるはずだ。

だから、あまり気にすることはない・・・いつものように、

楽しく仕事してろ」

「・・・はい」


「…これ、やり直し」

「「?!」」
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