冷たい上司の秘密の誘惑
…う~、頭が痛い。

これはまさに、デジャウ゛・・・

ただ、唯一、違う事が一つ。


・・・な。

目を薄らと開けると、ほんの数ミリ先に、篠田部長の顔。

スースーと寝息を立て、気持ちよさそうに眠っている。

しかも、その篠田部長は、しっかりと私を腕と足でホールドしている。

逃げようにも、逃げられず。

ちょっとでも動こうものなら、篠田部長と、キスしかねない距離。

どうしていいかわからず、再び目を閉じた。


…これは夢よ。私は確かに家に帰ったはず。

そう自分に言い聞かせても、そうであるはずもなく。

この部屋の匂いは、私の部屋の匂いではない。

この布団も、目に入る物たちもすべて、私の家の物ではない。


…どうしてくれよう、この状況。

・・・チュッ。


な、なななな。

思わず、目を見開いた。それがいけなかった。


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