冷たい上司の秘密の誘惑
ベッドに寝かせ、美穂の頭を優しく寝でる。

「・・・三谷先輩は?」

「帰ったよ」


「…何の話をしてたんですか?」

「・・・なぁ、美穂」

オレの神妙な面持ちに、美穂は不安そうな顔で、オレを見ていた。


「美穂の事を考えると、申し訳なさで一杯だ」

「そんな!篠田部長のせいじゃありません!」

ガバッと起き上った美穂を、またゆっくりと寝かせる。


「いや、美穂の事を考えてやれなかったのは、自分だし・・・

しばらく、会うのよそうか」


「・・・嫌いになったんですか、私の事?」

「そんなわけ!・・・そんなわけないじゃないか。

もうしばらくは、オレの仕事も多忙過ぎて、美穂との時間もとれない。

仕事の延長で、会っていても、美穂がまたこうなるかもしれない」



「体調管理は気をつけます・・・だから、そんな事言わないでください」

そう言った美穂の目には、涙が溜まっていた。



「オレが昇進さえしてしまえば、こんな多忙な日々も終わる。

だから、それまでの間でいいんだ…年末には片が付くから」

「年末って…まだ、半年以上も先じゃないですか」
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