冷たい上司の秘密の誘惑
新部長の顔を拝めた社員達は、ちょっとどよめいた。

男性社員は、お~的な?

女性社員からは、キャ~的な。


「…ヤバい、超イケメンなんですけど、ねぇ、美穂」

私の服を引っ張りながら、美幸は喜んでいる。


・・・が。放心状態になっている私に気が付き、

私の名を呼んだ。

「…美穂、どうかしたの?」

「エ~、名前は、篠田光世部長だ」


美幸と、如月部長の声が重なる。

…美幸も、一瞬、目をパチクリさせた。


「ちょっと、美穂。如月部長なんて言った?」

「…篠田光世部長」

「ぇ。え~?!」


「うるさいぞ!そこ」

「す、すみません」

美幸の驚き声に、如月部長の怒声が響く。

…また、社員達が、笑っていた。


…篠田部長が、こちらを見る。

私は瞬きをすることすら忘れている。


そんな私に、篠田部長が、かすかに微笑んだ。
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