極上エリートの甘美な溺愛
目の前の男性が「劇的」なんて言葉を使うことを考えれば、将平が彼に二人のこれまでのことを話しているに違いない。
玲華との劇的な再会、それを知っている目の前の男性に、どう答えるべきか、玲華は困った顔で将平を見上げた。
けれど、そんな玲華の気持ちに気付いているのかいないのか。
将平は照れることなく、あっさりと慎に頷いた。
「劇的な再会どころじゃない。とっくに諦めて、二度と手に入れることができないと思っていた彼女が目の前に現れた。あの時は夢でも見てるんじゃないかって思ったよ」
そんな言葉を照れることなく話し、慎の言葉を肯定する将平に、玲華はぼっと顔を赤くして口をぱくぱくと動かすだけで言葉にならない。
まるで窒息しそうなほど恥ずかしくて仕方がない。
赤い顔のまま黙り込んでいる玲華を興味深そうに見つめていた慎は、彼女の隣で穏やかに笑っている将平に気付いた。
入社して以来の付き合い。
見た目の良さゆえに、女性からの視線にさらされ、いつもその隣に立つ権利を求めてのアピールを受けている将平を近くで見てきた。
将平は特に女性を遠ざけるわけでもなく、それなりに関係を持った女性がいたとは思うが、それでも恋人として女性を紹介されたことはなかった。
お酒の席で、ぽろりと呟いた『れいか』という名前が、唯一将平の口からこぼれた女性の名前だ。
その『れいか』はきっと目の前にいる彼女なんだろう。
華奢で背筋が伸びた綺麗な立ち姿と、小作りな顔に大きな瞳。
派手さはなくても、どこか目を引く清楚な顔立ちを見て、慎の中の何かがストン、と落ちた。
二次会の打ち合わせの時には気づかなかったが、玲華の横に満足げに立つ将平から感じられる独占欲に、思わず笑ってしまいそうになる。