極上エリートの甘美な溺愛
「だから言っただろ?玲華の告白を拒んで、美保ともすぐに別れて。で、誰ともちゃんとつきあってはいないんだ。まあ、だからと言って俺がまっさらだったかと言えば、申し訳ないとしか言えないけど」
「そ、そんな露骨なこと言わないでよ。……聞いて気持ちのいい話じゃないんだから」
小さな声で呟きながら、玲華は助手席の背もたれを元の位置に戻した。
二人が会わずにいた長い時間、将平に体だけの曖昧な関係の女性がいたことを受け入れたとはいえ、落ち込まないわけではない。
将平が自分以外の女性と過ごしていた時間を想像するだけで、やはり胸は痛むし考えたくはない。
大人になってそれなりの時間が過ぎているとは言っても、傷つくことに大人も子供もない。
ちゃんと傷つくんだな、と玲華は思った。
けれど玲華にしても、大学入学以降、何もなかったわけではない。
同じ学部の同級生や、バイト先の男の子から告白をされたこともある。
自分の事を好きだと言ってくれる男の子に対して、単純に「ありがとう」と思う気持ちを感じても、その気持ちが恋愛感情に発展することもなく、告白を受け入れることももちろんなかった。
将平への気持ちがくすぶったままでは、新しい恋なんて考えられない。
そんな気持ちで自分を縛り、過去を引きずったままでいた時間は決して短くもなかった。