極上エリートの甘美な溺愛
そう。
何に一番落ち込んでいるかというと、『悪い』と言って謝られたことだ。
玲華の気持ちを受け入れるどころか、二人の関係を進めようとした途端そう言って拒む将平に怒っているし、寂しくも感じている。
もちろん、玲華が将平の隣にずっといられるのかどうか、自信もない。
そして、玲華のこれまでの恋愛を振り返った時、自信を持って将平が抱えている負の感情を拭ってあげられるのかどうか、わからない。
人の気持ちの移ろい。
玲華が将平のことをずっと好きでいられるのかどうか、改めて考えるとよくわからないけれど。
それでも、やっぱり『悪い』と言われると落ち込んでしまう。
「将平くんとのキス、どうだった?」
「え!?」
沙耶香にからかわれ、玲華は真っ赤になった顔を隠すように俯いた。
「かわいいねえー、うん。玲華はかわいい」
玲華の頭を優しくなでる沙耶香。
「キスまでして、何で拒否されるのよ」
「だって、『わるい』って言うし……」
「誰だって、自分の感情が突然動いちゃったらびっくりするよ。将平くんだって思わず玲華にキスして、どうしていいのかわからなくなっただけじゃないの?」
諭すような沙耶香の言葉に、納得させられそうになりながらも、玲華は拗ねた声で問い返した。
「そんなこと、どうしてわかるのよ」
「だてに、拓人と三年も付き合ってません。あの冷静沈着な仮面を破るのにどれだけ泣いてきたか。玲華よりも男の人の気持ちはわかってるつもり」
顔を上げた玲華は、大きく目を見開いた。