極上エリートの甘美な溺愛
気まずい空気が二人の間に漂った。
それまでの軽やかな会話と、高校時代を思い出すような気恥ずかしく柔らかな時間が終わりを告げたようなぎこちなさ。
再会してから大して時間が経っていないことを考えれば、ほんの些細なことがきっかけでお互いの距離が変わるのは当然のことだろう。
離れていた時間の長さを裏付けるような不安定で脆い関係。
そんな状態に気付き落ち込みながらも、将平は小さく笑い口を開いた。
「卒業式の直前に、純太は玲華に告白するって俺たちに宣言していたし、玲華だって純太とは仲が良かったから。てっきり二人は卒業してから付き合いはじめたんだと思ってたんだけど」
それを将平が望んでいたわけではないが、玲華が伝えてくれた思いを拒んだのは自分だ。
玲華と純太の付き合いに口をはさむことも、ましてや止めることもできないのはわかっていた。
いつも自分に自信を持っていた純太が本気で玲華に気持ちを伝えたのならば、きっと玲華を自分のものにするに違いないと、そう思っていた。
「あいつ……純太は、本当に玲華のことを気に入ってたからな」
力なく笑う将平に、玲華はほんの少しいらだちを覚えた。
卒業してからずっと、自分が純太と付き合っていたと思われていた事実に、腹もたってくる。
「私が純太に告白されたのって、将平にふられてすぐだよ。まだ将平のことをふっきれてないのに付き合うわけないじゃない。それに、純太とは卒業式の日以来会ってないから」