sweet memory ~奏大side~
「にしても、花菜ちんにあんなこと要求しなくったって…」
「これから一緒にいれる時間が限られているんだ。少しでも花菜のことを把握しておきたい」
「あんまり花菜ちんを縛り付けるなよ?」
「…わかってる」
「まさか奏大が束縛男になるなんてな〜…。何があるかわかんないな」
「何が言いたい」
「別に。ちょっと意外だったからさ…。まぁ、相手があの花菜ちんだから特別なんだろうけどさ」
「当たり前だ」
何を言っているんだばりに、奏大は淳平をルームミラー越しに見た。
そんな奏大の様子に、淳平は苦笑いするしかなかった。
すると、奏大の携帯が鳴った。
どうやら電話ではなく、メールだったようで、直ぐに着信音が消えてしまった。
どうやら仕事用ではなく、プライベート用の携帯が鳴ったようであった。
奏大はポケットから携帯を取り出すと、メールボックスを開いた。
すると、表情は変わらないものの、口角が上がったのを淳平は見逃さなかった。
奏大は速攻でメールの返事を返していた。