sweet memory ~奏大side~





「…何だろう?記憶が曖昧なんですけど、あのぬいぐるみ、ずっと創くんに買ってもらったと思ってたけど、何だか違う気がして…」

「!」

「変ですよね。でも、この場所に来て昔のことを思い出していたら、何だか違う気がしてきたんです」

「…そうか」








花菜は思い出そうとしていたが、記憶が曖昧過ぎて思い出せなかった。
本能的に失った記憶を取り戻そうとしているのだろう。
自分と一緒にいることで、もしかしたら記憶が戻るのではないかと、奏大はこの時密かに感じていたのだった。




しかし、悩む花菜を見て奏大は、何とも言えない表情で花菜のことを見ていた。
そして、手を繋いでいない方の手で花菜の頭を撫でた。



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